夫婦の歴史を刻んだ日本家屋を、
新しい集いの場に再生
古き良き箇所は残し、快適で安心な住まいへよみがえる
古民家を2018年9月にリノベーションし、「1年経った今も、とにかく快適。新しくつくり替えて本当によかった!」と笑顔で話すのは、和歌山市のN様ご夫婦です。元々住んでいた家は、築35年の立派な日本家屋。「結婚してから2年目ぐらいのときだったかな、父が私たちのために建ててくれてね。愛着のある家だったんですよ」と、ご主人は話します。
しかし、年月が経つにつれて家の傷みが目立ち、夏冬を過ごすのが厳しくなってきたり、耐震性が気になったりしたことから、建て直しを検討。「思い入れのある家だから」と古き良き箇所は残しつつ、快適で安心な住まいを再生できるリノベーションを決断しました。
リビングの立派な梁がN様家を
引き続き見守る
夫婦が重ねてきた歴史を、新しい家が引き継ぐ。その思いは家の中心部であるリビングに反映されています。日本家屋の面影を残すため、リビングの天井部分を解体して、梁を露出。吹き抜けによる開放的な空間の中、立派な梁の存在がリビングをノスタルジックで温かい雰囲気に包みます。また、天井裏だったスペースにはロフトを設け、お孫さんたちはここでかくれんぼをしたり、お昼寝をしたり。登り棒も設置していて、子どもたちにとっては秘密基地のような存在でもあります。
また、安全で安心な住まいを実現するために、バリアフリースタイルも採用。室内の敷居部分の段差をなくす、扉は引き戸にする、トイレスペースを広く取るなどして、転倒など家の中の事故を防ぎます。また、窓のサッシは二重にして家の気密性を高くし、室内の温度差も解消。「家の前は交通量が多くて、車の音が気になっていたけど、二重サッシのおかげで防音対策にもなりました」とご主人。さらに、「今まで大変だった雨戸の開け閉めも、電動シャッターにしたため、リモコン一つで済むのも助かります」と奥様は満足げです。
住み心地のいい家には、人が自然と集まる
シニア世代のリノベーションとして大満足です、と話すNさんご夫婦。同世代へのアドバイスはありますか、と尋ねると、「家の住み心地がいいと、人が自然と集まってきますね」と奥様。
「例えば、知人宅に行っても、座敷だけの家だと膝が気になって長居できなかったりすることも結構あるんですよ」。「年齢を重ねてからのリフォームよりも、体力のあるうちに直した方が絶対いい。どうせ直すのなら一日でも早い方がいいですよ」と力強くコメントしてくださったのが印象的でした。